「労災」というと、代表的なのは事故による怪我ですが、仕事が原因で病気を発症することも労災となり、労災保険の受給や、会社への損害賠償請求をすることが考えられす。
労災は多種多様のものがあり、全てを列挙することはできませんが、主なものは次のとおりです。以下の事例に当てはまらないものでも、仕事が原因で何らかの怪我・病気を抱えている場合には、一般的に労災と考えられます。
事故などによる仕事中の怪我
次のような仕事中の事故による怪我は、最も典型的な労災といえます。
機械への巻き込まれ・挟まれ・切断事故
身体の一部が、作業中・清掃中にローラーやコンベアに巻き込まれたり、プレス機や機械と製品の間に挟まれたり、切断機・ボール盤などの金属加工機械の刃や切りくずに接触して手指・腕などを切断・損傷する労災事故。
詳しくは「機械への巻き込まれ・挟まれ・切断による労災被害」で解説しています。
下敷き事故
倉庫業や運送業での荷役作業中や、製造現場でクレーン・フォークリフト等を用いて製品等を運搬する際、積み上げられた荷物が崩れたり、重量物が落下したりして、作業員が下敷きになる労災事故。
詳しくは「下敷き事故による労災被害」で解説しています。
転落・転倒事故
建設現場、荷役作業、製造現場等での、労働者が高所での作業中に転落したり、台車につまずいたり油や水で滑るなどして転倒したりする労災事故。
詳しくは「転落・転倒事故による労災被害」で解説しています。
火災・爆発事故
工場や職場での、火災や爆発に巻き込まれ負傷する労災事故。
仕事による病気の発症
病気を発症した場合、一見仕事とは無関係のように思えても、実は労災ということもあります。
過労による脳・心臓の病気
長時間労働などの過重労働による、脳の病気(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症など)や心臓の病気(心筋梗塞、狭心症、心停止、解離性大動脈瘤など)。 これらの病気により死に至ることを、一般的に「過労死」といいます。
過労やストレスによる精神障害
長時間労働やパワハラなどのストレスによる、精神の病気(うつ病、適応障害など)。これらの病気により、自殺してしまうことを、一般的に「過労自殺」といいます。
化学物質等による病気
アスベストによる病気(中皮腫・石綿肺)、原子力関連業務に従事する労働者の白血病・がん、トンネル建設や鉱山での業務に従事する労働者のじん肺、その他化学物質による健康被害。
その他
爆音による難聴、熱所での作業に従事する労働者の熱中症、林業に従事する労働者の白蝋病など。