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上肢(腕、手首、肘、肩)の後遺障害(労災)

上肢(腕、手首、肘、肩)の後遺障害には、3つの分類があります。

  1. 欠損障害(切断)
  2. 機能障害(動きが制限されるようになった)
  3. 変形障害(癒合不全等)

・痛みや感覚障害は、神経系統の障害として認定されます。

手指、手のひらの障害については、こちらをご覧ください。

欠損障害(切断)

後遺障害等級表

等級 身体障害 労災保険による補償
第1級の6 両上肢をひじ関節以上で失ったもの 給付基礎日額の313日分(年金)
第2級の3 両上肢を手関節以上で失ったもの 〃277日分(年金)
第4級の4 一上肢をひじ関節以上で失ったもの 〃213日分(年金)
第5級の2 一上肢を手関節以上で失ったもの 〃184日分(年金)

認定の基準

「上肢をひじ関節以上で失ったもの」とは

「上肢をひじ関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当する状態です。

  1. 肩関節において、肩甲骨と上腕骨を離断した
  2. 肩関節とひじ関節との間において上肢を切断した
  3. ひじ関節において、上腕骨と橈骨および尺骨とを離断した

腕の骨イラスト

「上肢を手関節以上で失ったもの」とは

「上肢を手関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当する状態です。

  1. ひじ関節と手関節の間において上肢を切断した
  2. 手関節において、橈骨および尺骨と手根骨とを離断した

機能障害(動きが制限されるようになった)

後遺障害等級表

等級 身体障害 労災保険による補償
第1級の7 両上肢の用を全廃したもの 給付基礎日額の313日分(年金)
第5級の4 一上肢の用を全廃したもの 〃184日分(年金)
第6級の5 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの 〃156日分(年金)
第8級の6 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの 給付基礎日額の503日分(一時金)
第10級の9 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの 〃302日分(一時金)
第12級の6 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの 〃156日分(一時金)

認定の基準

「上肢の用を廃したもの」とは

「上肢の用を廃したもの」とは、3大関節(肩関節、ひじ関節、手関節)のすべてが強直し、かつ、手指の全部の用を廃したものをいいます。

上腕神経叢の完全麻痺も対象となります。

「関節の用を廃したもの」とは

「関節の用を廃したもの」とは、次のいずれかの状態を指します。

①関節が強直した

関節の完全強直またはこれに近い状態(関節可動域が健側の10%程度以下に制限される場合)です。

ただし、肩関節であれば、可動域の測定結果にかかわらず、肩甲上腕関節がゆ合し骨性強直していることがエックス線写真で確認できる場合も対象となります。

②関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にある

「これに近い状態」とは、他動では動くものの、自動運動では関節の可動域が健側の10%程度以下となった場合をいいます。

③人工関節・人工骨頭を関節に挿入置換し、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されている

「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは

「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、次のいずれかの状態を指します。

  1. 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されている
  2. 人工関節・人工骨頭を関節に挿入置換し、その可動域が健側の可動域角度の1/2以上ある

「関節の機能に障害を残すもの」とは

関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されている状態をいいます。

変形障害(癒合不全等)

後遺障害等級表

等級 身体障害 労災保険による補償
第7級の9 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 給付基礎日額の131日分(年金)
第8級の8 一上肢に偽関節を残すもの 給付基礎日額の503日分(一時金)
第12級の8 長管骨に変形を残すもの 〃156日分(一時金)

認定の基準

偽関節とは

偽関節とは、骨折等による骨片間の癒合機転が止まって異常可動を示す状態をいいます。

「偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは

「偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当し、常に硬性補装具を必要とする状態です。

  1. 上腕骨の骨幹部等(骨幹部または骨幹端部)に癒合不全が残っている
  2. 橈骨および尺骨の両方の骨幹部等に癒合不全が残っている

「偽関節を残すもの」とは

「偽関節を残すもの」とは、次のいずれかに該当する状態です。

  1. 上腕骨の骨幹部等に癒合不全が残っているが、著しい運動障害は認められない状態
  2. 橈骨および尺骨の両方の骨幹部等に癒合不全が残っているが、著しい運動障害は認められない状態
  3. 橈骨および尺骨のいずれか一方の骨幹部等に癒合不全が残っていて、時々硬性補装具を必要とする状態

「長管骨に変形を残すもの」とは

「長管骨に変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当する状態です。

  1. 上腕骨に、15度以上屈曲して不正癒合する変形が残っている
  2. 橈骨および尺骨の両方に、15度以上屈曲して不正癒合する変形が残っている(いずれか一方のみの変形であっても、程度が著しければ該当します)
  3. 上腕骨、橈骨または尺骨の骨端部に癒合不全が残っている
  4. 橈骨または尺骨の骨幹部等に癒合不全が残っているが、硬性補装具を必要としない
  5. 上腕骨、橈骨または尺骨の骨端部のほとんどを欠損した
  6. 上腕骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に、または橈骨もしくは尺骨(骨端部を除く)の直径が1/2以下に減少した
  7. 上腕骨が50度以上外旋または内旋変形癒合している

弁護士四方の解決事例(損害賠償請求)

  • ベルトコンベアーのローラーに右手が巻き込まれ、右橈骨にCT上癒合不全を残した事例(12級の8)
  • ボール盤に腕を巻き込まれ、左前腕を切断した事例(5級の2)
  • 放置されていた台車を踏んで転倒し、右肩関節、右肘関節の可動域が健側に比べて1/2以下に制限された事例(併合で準用9級)
  • フォークリフトと追突し、左肩関節の可動域が、健側と比して1/2以下に制限された事例(10級の9)
  • 旋盤の回転軸に両手が巻き込まれ、右手関節の可動域が健側に比べて3/4以下に制限された事例(12級の6)

弁護士 四方久寛(大阪弁護士会所属)