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個人情報開示手続きとは

個人情報開示手続きとは

個人情報開示手続きとは、官公署が持っている個人に関する情報を開示させる手続きのことです。

たとえば、労災事故にあった労働者が労災を申請した場合、その労働者の所属する事業所を監督する労働基準監督署は、労災事故の状況、労働者の就労状況、労働者への賃金支払いの状況などを調査します。そうした調査の記録は、一定期間、労働基準監督署を監督する都道府県の労働局に保管されているため、労働者自身が、個人情報として、そうした調査の記録を開示するよう請求することができます。

ただし、関係者や第三者のプライバシーに関する情報が含まれているなどの理由で、情報の全部または一部が開示されないこともあります。

個人情報開示請求の方法

個人情報開示請求は、所定の様式に、請求する個人情報の範囲(何に関するどのような文書かなど)を特定して、それを保有している官公署に請求します。 すると、請求先の官公署は、1、2か月程度で、開示の可否や範囲を決定します。個人情報の開示方法は、通常、それらが記載された文書を閲覧したり、文書の写しの交付を受けたりする方法によることになります。

請求は原則として開示請求者本人しかできませんが、事実上、代理人が請求を行い、文書の写しを開示請求者本人の住所に郵送してもらうことも可能です。

個人情報開示手続きの重要性

個人情報開示手続きを利用して資料を収集することは、その後どのような法的手段をとるかの方針を立てたり、主張を組み立てたり裏付けたりするうえで、重要です。たとえば、過労死の事件において、労災の申請が認められず、労災保険審査官に審査請求を行う場合、労災と認められなかった理由がわからなければ、意見書を作成することができません。

しかし、労災と認められなかった場合に、労働基準監督署から示される理由は極めて端的なものです。そこで、どういう調査や資料に基づいて労働基準監督署がそのように判断をしたのか、開示させる必要があるわけです。

また、過労自殺の事件において、労災の認定を受けたうえで、雇用主に対して損害賠償請求を行うには、改めて、労働基準監督署が、どのような資料に基づいて、職場で何があったと認定したか、労働者が精神障害を発症したのはいつだと認定したかを確認し、それをふまえて訴訟での主張を組み立てる必要があります。