2019年6月3日より、名称を「四方法律事務所」から「大阪労災・労働法律事務所」に変更しました。

大企業の長時間残業代の割増(改正労働基準法)

1か月60時間を超える時間外労働の割増賃金率の引き上げ

長時間労働を抑制し、労働者の健康と生活を守ることを目的として、平成22年4月に改正労働基準法が施行されました。これにより、一定の基準を満たす大企業は、1か月に60時間を超える時間外労働については、従来の割増率(25%以上)よりも高い割増率(50%以上)で割増賃金を支払わなければならなくなりました。

具体的には、一定の基準を満たす大企業は、1か月60時間を超える時間外労働について、最低でも
①割増率を50%として割増賃金を支給する
あるいは、代替措置として、
②事業所で労使協定を締結した上で、従来通り割増賃金率を25%として割増賃金を支給するとともに、引き上げ分の割増賃金の代わりに有給休暇を付与する
ことが必要となりました。

深夜労働をおこなった場合

労働者が、1か月60時間以上の時間外労働を深夜(午後10時~午前5時)におこなった場合、その深夜労働に対する賃金の割増率は75%以上となります(労働基準法施行規則20条)。

適用される企業と適用されない企業

上記の割増率は、現在のところ大企業にのみ適応され、中小企業には適用が猶予されています。適用が猶予される中小企業かどうかは、次のように「資本金の額または出資の総額」と「常時使用する労働者の数」によって定められていて、業種によって基準が異なります。

業種資本金の額または出資の総額または常時使用する労働者数
小売業5,000万円以下または50人以下
サービス業5,000万円以下または100人以下
卸売業1億円以下または100人以下
その他3億円以下または300人以下

※上記の基準にあてはまるかどうかは、事業所単位ではなく企業単位で判断します。

改正の目的が労働者の健康と生活を守ることにあることを考えると、企業の規模によって適用の有無を区別することは望ましくないため、中小企業への適用の拡大が求められます。

追記

2023年4月~中小企業の猶予措置が廃止されます

「働き方改革」(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)により、平成35年(2023年)4月1日以降、上記の中小企業への猶予措置は廃止されます。
これにより、企業の規模を問わず、労働者が月に60時間以上の時間外労働をおこなった場合、割増賃金率は50%以上となります。