仮処分申立

仮処分申立とは、緊急性が高い事案について、裁判所に暫定的な決定(仮処分決定)を求める民事保全手続の一つです。長期間をかけて慎重に審理する通常の訴訟とは異なり、申立から数日から数週間で決定が下されます。

労働問題で関わりがあるのは、主に不当解雇のケースです

不当に解雇をされたとき、訴訟などの手段で雇用主に従業員としての地位の確認と賃金の支払いを求めることができますが、雇用主が解雇したと主張している以上、結論が出るまでの間は賃金が支払われません。訴訟は長期化するケースもあり、長期間賃金を得ることができなくなれば労働者の生活が成り立たなくなりかねません。

そのような場合、裁判所に、従業員としての地位があることを仮に認め、賃金を仮に支払うよう命じる決定を出すよう求めることができます。これを一般に地位保全・賃金仮払いの仮処分とよんでいます。

地位保全・賃金仮払いの仮処分が認められれば、訴訟で争っている間も雇用主から暫定的に賃金の支払いを受けることができます。

その他のメリット

暫定的に賃金の支払いを受けられること以外にもメリットはあります。
仮処分決定が下されれば、訴訟においても同様の判決が下される可能性が高いうえ、訴訟で争っている間、雇用主は労働者に賃金を支払わなければならないわけですから、雇用主に早期に和解を迫る圧力にもなります。したがって、不当解雇のケースでは、仮処分申立てが、早期に紛争を解決する手段として、労働審判以上に効果的であるということが言えるでしょう。