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初めて労働問題を相談される方へ

労働問題を抱え、誰か専門家へ相談したいと思っても、何をどうすれば良いのか分からず、不安を一人で抱え込んでしまう方は少ないと思います。

おそらく、皆さんの不安は、主に次の4点ではないでしょうか。

  1. どこへ相談するべきか分からない
    • 弁護士へ相談してよいのか?
    • 労働組合のほうがよいのか?
    • 行政窓口(労働基準監督署、労働局や自治体の労働相談窓口)はどうか?
    • NPOは?社会保険労務士、司法書士は?
  2. 弁護士の役割とは?
  3. 弁護士費用がいくらかかるのか不安
  4. どの弁護士に相談すれば良いのか分からない

これらの疑問点について、解説するので、ぜひ参考にしてください。

1.労働問題の相談先について

労働問題の主な相談先としては、①弁護士②労働組合③行政窓口(労働基準監督署、労働局や自治体の労働相談窓口)が挙げられます。
「どこが最も適切か」というのは、あなたが抱えている労働問題の性質・規模・希望する解決の方向性などによって異なります。

一番確実なのは、まず「労働弁護士に相談すること」です。
労働弁護士であれば、複雑な法律問題についても判断することができますし、解決の手続きに関しても、「弁護士ができること」はもちろん、「労働組合ができること」「行政窓口ができること」も全て掌握していて、必要に応じて他の相談先を紹介することもできるからです。

これが逆だと中々うまくいきません。
労働組合や労働基準監督署は、複雑な法律問題に対する法的な判断は不得意ですし、裁判所を利用した手続きに関しても、基本的に専門外です。
労働局や自治体の労働相談窓口は中立性を強く要求されるため、仲裁的な役割しか果たすことができません。

とはいえ、弁護士に相談するには相談料が必要ですから、他の相談先を紹介されるなら、初めからそちらに相談したいという方もいらっしゃるでしょう。
その場合には、「労働問題の相談先(弁護士・労働組合・行政窓口ほか)」をご覧ください。
なお、労働問題に取り組むNPO、(特定)社会保険労務士、(認定)司法書士への労働相談は積極的にはお勧めしませんが、その理由もリンク先で説明しています。

2.弁護士の役割とは

弁護士が、ご相談をお聞きしてできることは、大まかにいうと、次の3点です。

  1. 問題点を専門家の視点で整理し
  2. 解決策を提示し
  3. 良い解決に向けて本人をサポートする

1.問題点の整理

今、あなたが抱えている労働問題は、法律で解決できる場合と、そうではない場合があります。同時に、専門家の視点でみると、あなたが問題だと感じている点とは別に、根本的な問題が見つかる場合もあります。
まずは、これらの問題点をきちんと整理する必要があります。

2.解決策の提案

問題点を整理できれば、次は、それを前提に「どのような解決策が考えられるか」を提案します。
たとえば、本人の力だけで解決できるのか、労働組合に加入するのが良いのか、行政機関に指導を求めたり行政機関の仲裁手続きを活用するのが良いか、また、弁護士に依頼するとしても、話し合いによる解決が見込めるのか、訴訟提起するしかないのか、などです。

3.良い解決に向けたサポート

解決方針について、相談者の意向が決まったら、それに向けたサポートをおこないます。
本人の力での解決を目指すのであれば、「具体的にどのようにすればよいのか」を詳しくアドバイスすることが肝心です。
別の機関を紹介するときにも、単なる丸投げではなく、相談のポイントや解決の見込みなどをできるだけお話しします。
もちろん、弁護士自身が依頼をお引き受けする場合には、契約前にきちんと費用や見込みについて詳しくご説明します。

3.弁護士費用はいくらかかるのか

「弁護士費用は高額」というのも、よく抱かれるイメージです。
弁護士は、医者と違って公的な保険制度がないので、確かに費用が高額になることもあります。

とはいえ、「無いところからは取らない」というのが我々弁護士の基本です。

弁護士費用は、現在自由化されているので、一律に説明することはできませんが、大阪労災・労働法律事務所での費用体系は「弁護士費用のページ」で説明しています。当事務所の方向性としては、不自然な格安価格でもなく、ぼったくりでもない「普通の適正な料金体系」を目指しています。
詳しくは上記のリンク先で説明していますが、依頼時の弁護士費用(着手金)を無料にして、その代わり、解決したときに報酬を少し多めにいただく「成功報酬制」も採用しています。

他事務所の弁護士に依頼する場合でも、必要となる費用は、依頼時に弁護士から渡される「委任契約書」にきちんと記載されるので、予想外に高額の費用を請求されるということは、通常起こりません。
もし、弁護士に尋ねても費用の説明が無かったり、依頼時に委任契約書をもらえない場合には、あまり良い弁護士ではないと言えるでしょう。

4.どの弁護士に相談すれば良いのか

弁護士にも、それぞれの得意分野や個性に違いがあるので、どの弁護士が良いかは、あなたが抱える問題の性質や、弁護士に何を希望するかによって変わります。

労働問題に関していうと、様々な特殊性を含んでいるので、なるべく労働問題に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。

ただ、最近では、必ずしも労働問題に明るくない弁護士が「労働問題に詳しい」と宣伝する例も見受けられ、皆さんにとって、どの弁護士が本当に労働問題に詳しいか判断するのは、なかなか簡単ではないと思います。

結局のところ、実際に相談をしてみて、その弁護士が信頼できるかどうかを判断するしかありません。
初めての弁護士への相談で「信頼できるか」を判断するのは難しいでしょうが、次のポイントを中心に考えるとよいでしょう。

  • 問題発生の経緯について、詳しい聞き取りをしてくれるか
  • 質問をしたときに、丁寧に分かりやすい回答をしてくれるか
  • 法律的な争点やリスクについても説明してくれるか

不安に感じるところがあれば、複数の弁護士に相談してみる(セカンドオピニオン)というのも一つの手です。